この胸が痛むのは

相変わらず、殿下はお忙しいようで、葬儀の２日後には帰国されました。
それでも、帰国前にストロノーヴァ先生と
イェニィ伯爵ご夫妻に、もう一度会いに行ってくださって、直接殿下からも私の事を頼んでくださったと、アーグネシュ様から教えていただきました。


祖母の邸で長らく働いてくれていた使用人達への退職金と紹介状を、父は用意してくれていました。
外国貴族の紹介状では心許ないかと心配した父に、アーグネシュ様が旦那様のイェニィ伯爵様の一筆を添えてくださる事になり、使用人達からは過分なものだと感謝され、夏にまた私達がこの地に戻ってきた時には、お声をおかけください、と言ってくれました。