この胸が痛むのは
「温室で何かありましたか?」
「アグネスに……自分の狡さを思い知らされたよ」
ノイエはアグネスから、俺とクラリスの一連の話を聞いているので、隠さずに話した。
聞き終えたノイエの赤い瞳には、俺に対する軽蔑も同情も浮かんでいなかった。
「アグネスが別人格を持つようになったのは俺のせいだ。
そうしないと、本音を俺にぶつけられなかったからだ」
「……トルラキアの学院でそれ程交流はなかったんですが、割りと私には遠慮はなかったですね。
最初の頃は話しかけても、お花を摘みに行くからって、ずっと逃げられていたんですよ。
乙女の言い訳とは思えなくて、毎回笑えましたけど。
でも、遠慮をしない、本音を言える、そんな
関係が最高だとも私は思っていないんです」
「……」
「好きな相手にはいいところを見せたいじゃないですか?
私はそうなんです、好きなひとに絶対に本心は言わなかったし、気取っていました。
アグネス嬢も、殿下も、お互いにいいところ
しか見せなくて少し無理をして、時々小出しに
本音を出したらいいと、言うのは無責任でしょうか。
……これは俺の人生持論なので聞き流してくれてもいいですが」
「人生持論……」
「ひとの個性が千差万別ある様に、恋愛だって それぞれの形があっていい、そう思っています。
本当の気持ちはそうだったのか、傷つけてしまって申し訳ないと落ち込むよりは、そうなのか
悪かったと、口に出して謝って、うるさいと言われるくらい謝って。
普段は格好つけてても、謝る時はプライドは捨てないと」
「アグネスに……自分の狡さを思い知らされたよ」
ノイエはアグネスから、俺とクラリスの一連の話を聞いているので、隠さずに話した。
聞き終えたノイエの赤い瞳には、俺に対する軽蔑も同情も浮かんでいなかった。
「アグネスが別人格を持つようになったのは俺のせいだ。
そうしないと、本音を俺にぶつけられなかったからだ」
「……トルラキアの学院でそれ程交流はなかったんですが、割りと私には遠慮はなかったですね。
最初の頃は話しかけても、お花を摘みに行くからって、ずっと逃げられていたんですよ。
乙女の言い訳とは思えなくて、毎回笑えましたけど。
でも、遠慮をしない、本音を言える、そんな
関係が最高だとも私は思っていないんです」
「……」
「好きな相手にはいいところを見せたいじゃないですか?
私はそうなんです、好きなひとに絶対に本心は言わなかったし、気取っていました。
アグネス嬢も、殿下も、お互いにいいところ
しか見せなくて少し無理をして、時々小出しに
本音を出したらいいと、言うのは無責任でしょうか。
……これは俺の人生持論なので聞き流してくれてもいいですが」
「人生持論……」
「ひとの個性が千差万別ある様に、恋愛だって それぞれの形があっていい、そう思っています。
本当の気持ちはそうだったのか、傷つけてしまって申し訳ないと落ち込むよりは、そうなのか
悪かったと、口に出して謝って、うるさいと言われるくらい謝って。
普段は格好つけてても、謝る時はプライドは捨てないと」