この胸が痛むのは
第14話 アシュフォードside
「これは一時の感情で、言っているのではない」
押し黙る侯爵を説得しようと、俺は一心不乱に
言い募った。
クラリスの一言からの話の流れで、アグネスに
ついて俺は自分の気持ちを隠さずに言うしかなかった。
これもまたクラリスの企みに乗せられたような気がする。
『この女に言わされた』感が凄くある。
今日はこの話を切り出すつもりはなかったのだ。
俺は性格的にひとつひとつ片付かないと前へ進めない。
まず夜会。まずクジラ。
それらが片付いてから、アグネス。
そのつもりだった。
それなのに。
夜会のパートナーを受ける受けないの話から
アグネスの名前を出された父親は、途端に黙ってしまった。
姉は隣で涼しい顔をしている。
だから、この女は……
誰か、この女を止める人間はいないのか?
押し黙る侯爵を説得しようと、俺は一心不乱に
言い募った。
クラリスの一言からの話の流れで、アグネスに
ついて俺は自分の気持ちを隠さずに言うしかなかった。
これもまたクラリスの企みに乗せられたような気がする。
『この女に言わされた』感が凄くある。
今日はこの話を切り出すつもりはなかったのだ。
俺は性格的にひとつひとつ片付かないと前へ進めない。
まず夜会。まずクジラ。
それらが片付いてから、アグネス。
そのつもりだった。
それなのに。
夜会のパートナーを受ける受けないの話から
アグネスの名前を出された父親は、途端に黙ってしまった。
姉は隣で涼しい顔をしている。
だから、この女は……
誰か、この女を止める人間はいないのか?