この胸が痛むのは
本当にふたりの事を心配していた。
もう離れてしまえと、早く結ばれてしまえ、
どちらも本心だ。
それなのに。
今も忌むべき姿を映した鏡から、パニックになったアグネスを引き離して、彼女の視界からその
存在を消そうとひたすら姿見を叩き壊す殿下の姿を見て、ノイエは観察せずにはいられなかった。
いつか、大切な何かを守る為に立ち向かうと決意した男を演じる時、俺はこの殿下の姿を思い浮かべるだろう、と。
鏡が割れた時、部屋を覆っていた冷たく重い空気が消えた。
光が射し込んで蒸発したみたいだった。
朝からの雨がようやく止んでいたのを、ノイエは気付いた。
そして目の前のふたりがもう離れない事にも、
ノイエは気付いた。
もう離れてしまえと、早く結ばれてしまえ、
どちらも本心だ。
それなのに。
今も忌むべき姿を映した鏡から、パニックになったアグネスを引き離して、彼女の視界からその
存在を消そうとひたすら姿見を叩き壊す殿下の姿を見て、ノイエは観察せずにはいられなかった。
いつか、大切な何かを守る為に立ち向かうと決意した男を演じる時、俺はこの殿下の姿を思い浮かべるだろう、と。
鏡が割れた時、部屋を覆っていた冷たく重い空気が消えた。
光が射し込んで蒸発したみたいだった。
朝からの雨がようやく止んでいたのを、ノイエは気付いた。
そして目の前のふたりがもう離れない事にも、
ノイエは気付いた。