この胸が痛むのは
レイノルドは国王陛下がジョセフと、辺境伯家の嫡男を呼ぶのを聞いて、改めて思い出した。
おふたりは同い年で、学園の同級生だった、と。
『初恋に狂っている以外は出来の良い男』、
ジョセフ・バーモント。
人目を気にせず、イチャイチャと溺愛ぶりを見せつけて。
だが、それは『初恋を貫く男』とそう見せていただけだったら?
密かに辺境に居る家臣と繋がって、当主の座に居座る母親を流血無しに代替わりさせる為、失態を待っているのなら。
国王陛下が掲げる、『古いものを淘汰する』と
いう言葉。
それは王家だけではなく、同じく辺境にも、貴族達にも、言えること。
陛下と勉学を共にしてきた世代が、徐々に目立たず家門の当主に代替わりを始めていることにも、今更気付く。
当時、学園に居た彼等は、教室で中庭で。
どんな夢を語り合ったのか。
「あの女が王城内でやらかすのは、止めないように。
わかっているだろうが、これは他言無用だ」
「御意」
他言無用、それもアシュフォードには絶対に。
当時の王太子殿下が、バージニア元王女を辺境に押し付けたのはこの日の為だったと、知る必要はない。
退室しようとしたレイノルドに国王陛下が駄目押しをする。
おふたりは同い年で、学園の同級生だった、と。
『初恋に狂っている以外は出来の良い男』、
ジョセフ・バーモント。
人目を気にせず、イチャイチャと溺愛ぶりを見せつけて。
だが、それは『初恋を貫く男』とそう見せていただけだったら?
密かに辺境に居る家臣と繋がって、当主の座に居座る母親を流血無しに代替わりさせる為、失態を待っているのなら。
国王陛下が掲げる、『古いものを淘汰する』と
いう言葉。
それは王家だけではなく、同じく辺境にも、貴族達にも、言えること。
陛下と勉学を共にしてきた世代が、徐々に目立たず家門の当主に代替わりを始めていることにも、今更気付く。
当時、学園に居た彼等は、教室で中庭で。
どんな夢を語り合ったのか。
「あの女が王城内でやらかすのは、止めないように。
わかっているだろうが、これは他言無用だ」
「御意」
他言無用、それもアシュフォードには絶対に。
当時の王太子殿下が、バージニア元王女を辺境に押し付けたのはこの日の為だったと、知る必要はない。
退室しようとしたレイノルドに国王陛下が駄目押しをする。