この胸が痛むのは
イシュトヴァーン・ミハン4
果たして、あれで良かったのかと、アーグネシュはまた言った。
怪しい催眠術もどきをアグネスにかけ、話を聞き出した事を彼女はまだ憂いていた。
アシュフォード王弟殿下の帰りをストロノーヴァの邸でふたりで待っていた。
殿下はアグネスを送ってから、またこちらに戻ってくると仰っていた。
殿下が戻ってくる前に、アーグネシュに聞いて
おきたい事もあった。
「アグネス嬢、君からはどう見えた?」
「そうですわね……例えば、一度失敗すると、
もう二度と手は出さないと後悔するタイプと、
次こそは上手くやろうと違う方法を考えるタイプの2種類に分けるとすれば、アグネス嬢は後者だと思います」
「意外だね?」
「……ストロノーヴァ様もわかっていらっしゃるでしょうに」
さすがに現場で多くのあの年頃の子供達を見て
きただけの事はあるなと、ミハンは思った。
ミハンから見たアグネス・スローンは、素直で
頑固。
繊細そうに見えて大胆。
口には出さないのに、自分の希望を通してきた。
アグネスは常に『二律背反の感情』で揺れ動いている。
まるでもうひとりのアグネスが彼女の中に存在しているかの様に。
それを先程の催眠術にかけられた状態のアグネスから感じた。
怪しい催眠術もどきをアグネスにかけ、話を聞き出した事を彼女はまだ憂いていた。
アシュフォード王弟殿下の帰りをストロノーヴァの邸でふたりで待っていた。
殿下はアグネスを送ってから、またこちらに戻ってくると仰っていた。
殿下が戻ってくる前に、アーグネシュに聞いて
おきたい事もあった。
「アグネス嬢、君からはどう見えた?」
「そうですわね……例えば、一度失敗すると、
もう二度と手は出さないと後悔するタイプと、
次こそは上手くやろうと違う方法を考えるタイプの2種類に分けるとすれば、アグネス嬢は後者だと思います」
「意外だね?」
「……ストロノーヴァ様もわかっていらっしゃるでしょうに」
さすがに現場で多くのあの年頃の子供達を見て
きただけの事はあるなと、ミハンは思った。
ミハンから見たアグネス・スローンは、素直で
頑固。
繊細そうに見えて大胆。
口には出さないのに、自分の希望を通してきた。
アグネスは常に『二律背反の感情』で揺れ動いている。
まるでもうひとりのアグネスが彼女の中に存在しているかの様に。
それを先程の催眠術にかけられた状態のアグネスから感じた。