この胸が痛むのは
スローン侯爵が用意した人間を夜会の給仕やメイドに紛れ込ませる手筈を、グレゴリーが整えていたが結構な人数だし。
情けない話だが事前に顔合わせをしても、王城のお仕着せを着た彼等をあの場で見分ける自信がない。


「んー、とにかく俺は君とレイから渡されたものしか口にしない。
 それでいいよな?」

「……」

頼むよ、クラリス。
ダメな子を見る目で、俺を見ないで欲しい。


俺は今日は登校しているが、クジラは昼過ぎに
我が国へ到着予定だった。
そろそろ、王城に御一行様は着いている頃か。
往路は陸、復路は船を使うと聞いている。

明後日の夜会での参加人数は、事前にこちらに
知らせてきていたが、最終的な確定人数は王城に到着後に提出されることになっていた。


「ここから大きな変更はないと思うんだ。
 王女のお供として、夜会に出席予定は大体10人前後、こんなに沢山引き連れて参加か。
 えー、侍女3、護衛騎士4、専属給餌士3……おい、この専属給餌、って何だ?」

 
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