エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
「そんなわけありません!」
大和に対する気持ちを疑われるなんて心外で、瑠衣は怒りに任せて声を大きくする。
「そんな……迷うわけないじゃないですか!」
佐藤に復縁を迫られた時も、沙良に大和を返せと睨まれた時も、一ミリだって迷わなかった。
佐藤とよりを戻す気も、沙良に大和を渡す気もない。
大和が好きだから。
じわりと涙が滲み、感情的になってはいけないと思うのに気持ちを抑えることができなかった。
瞳を潤ませて怒る瑠衣に、大和は驚きと焦りを滲ませながら尋ねてくる。
「だったら、なぜ」
「だって……だって私が妊娠しちゃったら、大和さんは本当に如月法律事務所を継ぐしか道はなくなっちゃうんですよ?」