エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません
「瑠衣?」
「すみません、笑ったりして。引いてません、むしろ安心しました」
「安心?」
「高城さんってなんでも完璧にこなすイメージだったので、こうして苦手なものがあった方が、私も妻として役に立てそうで嬉しいです」
素直に思ったことを告げると、大和は嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう」
眩しいほどの笑顔を向けられ、瑠衣の鼓動が音を立てて跳ねる。それを隠すように、礼を言われるほどのことではないとぶんぶんと首を振った。
「〝妻として〟って言ってくれたのが嬉しかったんだ。ちゃんと俺との結婚を考えてくれてるんだって」
「あっ」
大和に指摘されてはじめて気が付いた。
まだ現実味がないと思っていたのに、意外にも無意識のうちに受け入れ始めているのかもしれない。
おかしなことではないのに、なぜかとても気恥ずかしい。そっと頬に触れてみると思っていた以上に熱くて、こっそりと手で扇いだ。
それから、大和は家の中を簡単に案内してくれた。