エリート国際弁護士に愛されてますが、身ごもるわけにはいきません

だからといって、家主である大和の部屋を自分好みに変えるのも気が引ける。

「いいんですか? 高城さんの趣味のままでも、私は構わないです」
「特に好みがあるわけじゃないんだ。この部屋もインテリアコーディネーターに任せると言ったら、こういう仕上がりになっただけで。それよりも夫婦ふたりの家って雰囲気に変えたいと思ってる。できれば、瑠衣の好みで選んでくれると嬉しい」

大和の考えを聞き、彼もまた結婚してふたりで生活をしていくビジョンを現実的に考えてくれているのだと嬉しく思った。

「わかりました。私も意見を言わせてもらうので、高城さんも言ってくださいね」
「了解」

視線を合わせて微笑み合うと、瑠衣は大和とふたりで部屋の中でそのまま使い続けるものと、新たに買いたいものをリストアップしていき、早速買い物に出掛けることにした。

途中、正午を過ぎたのでランチを取り、やってきたのは高級輸入家具を扱う専門店。

今の家具もここで揃えたらしく、来店前に電話をすると、スムーズにショールームに案内された。

イタリアやフランスを中心としたヨーロッパから厳選して集められた高級家具の数々は、見た目の美しさはもちろん、シンプルながら上品なデザインのものばかり。

まずはリビングのメインとなるソファと、ダイニングテーブルを決めていく。

「ソファは何色がいい?」
「そうですね、できればシンプルなカラーがいいです。グレーとかベージュとか。高城さんは?」
「俺も同じ意見だ。今は黒の革張りだから重厚感のある雰囲気になってるけど、できればもう少し明るい感じがいいな」

ふたりの意見をすり合わせながら、担当のコーディネーターから提案される商品をひとつずつ吟味していく。

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