余命8ヶ月。
どうしたらあんな風に笑えるんだろう。
「では行くのでついてきてください。」
「わかりました。」
5キロって案外ずっしりくるんだな····思ったより距離が遠いな。
「ふぅ、大丈夫ですか〜?」
気配りもできる人だなぁ。
「大丈夫です。」
「あ、ここです!」
扉を開けて台に荷物を置く。
「飯どこ行く?」
「俺予約しといたよ。」
通路から声が聞こえた。
「助かりました〜行きましょうか。」
「お役に立てて良かったです。」
━━━ガチャ━━━
「あ、いた。」
通路へ出ると奏の皆さんが揃っていた。
「お疲れ様でした。」
「何·····やってんの?」
ん?小戸森さんの声が低く聞こえた。
「えっと、大変そうだったので少しお手伝いを····」
「なんでこんな所にいるわけ?沙也香(さやか)。」
小戸森さんは私の隣にいた女性スタッフへそう言った。
さやか·····?
名前聞いてなかったな。それに小戸森さんが女性を名前で呼んでるの初めて見た。
まぁ出会って2日だからそんなに衝撃でもないけど。
「スタッフとして働いてるだけだよ?
あれ?それよりこの人と知り合いなの?」
沙也香さんという方は私を見ながら小戸森さんに質問していた。なんだか小戸森さんは不服そうな顔をしている。
「お前には関係ない。
行くよ。」
私は奏の楽屋へ連れていかれた。
あんな風に言って良かったのかな。
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