余命8ヶ月。
だからなんだか恥ずかしいのかな。
家族の知らない一面を見てしまったというか……、お兄ちゃんもいつかグループでコンサートするのかなぁ。
見てみたいな。……なんて、見れるわけないのに。
ひとりで何を夢見みてるんだろう。
「周作が怖い?」
「へっ……!?」
小戸森さんが私の顔を覗き込んだ。
「すごい沈んだ表情してるけど?」
こんなに素敵な人をお兄ちゃんのような感覚で見てるなんて私は失礼すぎる。
気をつけないと。
「大丈夫です。
それより2時間後に兄がここに迎えに来てくれるらしいです。」
小戸森さんはため息をついた。
「兄弟愛が強いのはいいけど……そうなると夕方の続き話せないか。」
私は本来の目的を忘れてしまっていた。
「ごめんなさい……!
今から兄に連絡します。」
お兄ちゃんにも悪いとは思うけどお礼の代わりだからしっかりお話を聞きたい。