余命8ヶ月。


速水さんは少し冗談のように言っている。



「違いますって!グループで食べに行くのは分かりますけど、たった一回会っただけの俺の妹を連れてきた理由を聞いてるんです。」



小戸森さんは考える素振りをして答えた。



「たまたま、ばったり会って昨日のお詫びに少しお茶して、たまたま、コンサートがあるから見てもらって、たまたま、その後飯食いに行く話してたから一緒に来た。
なんか問題ある?」


「問題大ありです。」


・・・・・・・


あれ?もしかして·····お兄ちゃんと小戸森さんはあまり親しくない?後輩には厳しくしてるって言ってたけどいつもこんな感じなのかな。



「桜樹、いつもと態度違うじゃん。」



それまで眺めているだけだった飛鳥馬さんは一言発した。



「大切な家族が関われば先輩への態度だって変わりますよ。」



お兄ちゃんが私の前に立った。
重い空気がにじみ出ている。



「お前がシスコンすぎるだけでしょ。
重い男は嫌われるよ?」


・・・・・・・


お兄ちゃんと小戸森さん、2人ともなぜか挑発的。皆さんにもご迷惑になる。
とにかく帰ろう。



「お兄ちゃん、今日は連絡するの忘れてごめんね。
迎えに来てくれてありがとう·····!
帰ろう?」
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