余命8ヶ月。

彼女の顔は幼さが残っているが綺麗な顔立ちでもあった。まさか後輩の妹とは思わなかったけど。



しかも10個も年下。



けど·····もうこの感情に気づいてしまってる自分がいる。まぁ手伝いで来たって言ってたし、会うことは無い。


こんな俺とは関わらない方がいい。


・・・・・・・

そんなことを思っていたのにまさか次の日に見かけてしまうとは。自分の欲求を無視することが出来なかった俺は急いで彼女の入った店へ行った。

汚してしまったお詫びという口実で服をプレゼントした。まだ一緒にいたい。
それだけの感情で店へ連れて行ってぜんざいを一緒に食べた。



····彼女が微笑んだ。



来て正解だと思った。
彼女はこんなふうに笑うんだ。
俺の迷ってることを話そうとすると伊月から電話が来るし、俺は3時間程度じゃ満足出来なかった。人に貪欲になるなんて初めてかもしれない。


無理やりコンサートに連れて来て、勝手にスイッチが入って予定にない帽子まで被っちゃうし、飯にも誘って隣で笑いあった。

彼女の中心はその兄。
なんだか悔しくて桜樹には嫌な態度をとった。それから帰り道、メンバーは笑ってた。



「いやぁまさか飯屋までの移動時間に説得されるとは思わなかったわ(笑)」
< 118 / 306 >

この作品をシェア

pagetop