余命8ヶ月。

アイドルの碧音に落ちてファンになったか、本気で恋愛感情を抱いたか。

嘘にも見えないし、これが素なのか?·····面白いやつ。
俺は声を出して笑った。
この世界にいると俺達を陥れようと近づいてくる人間もいる。
警戒心をなくしちゃいけない。····でもこいつだったら信じてみてもいいのかもしれない。


帰り道、碧音には少し意地悪をしてやった。
本人の気づいてない感情は言わず兄のような存在とだけ。
好きな気持ちを閉じ込めようとする碧音。
だけど俺らのことをナメんなよ。
お前が気持ちを抑えるなんて出来るわけない。
どんな事でも俺らは決まって碧音の背中を押すって決まってんだ。
世間の評価なんかよりメンバーが大事だから。



近い未来じゃなくていい。
太陽の言うように結婚とかは抜きにしても楽しむことは出来る。数年後、何十年後でも碧音が隣にいて欲しいと思った人と笑い合うことが出来れば俺を含めて4人は満足なんだ。


・・・・・・・


まだ会ってたった2回目で数時間しか一緒に過ごしてないけど右京も、陸も、太陽も、『碧音の隣で笑ってるのが桜音羽ちゃんだったらいいのに』そう思ってるんだろうと感じた。



俺も·····、あいつだったら心から祝福できるのかもしれない━━━━━━·····。




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