余命8ヶ月。


「家の事じゃなくて、あっもちろん、家のこともするんだけど·····アイドルの仕事を手伝いたいの!」



今度こそ伝われとしっかり目を見つめて話した。


・・・・・・・


・・・・・・・



伝わらなかった?



「それは大学を辞めるってこと?」



真面目な顔のお兄ちゃん。
反対されちゃうかな·····。



『頑張って。』



小戸森さんの言葉が頭をよぎった。
大丈夫。
お兄ちゃんは最初から否定なんてしない。



「せっかくお兄ちゃんが勧めてくれて入ったけど、卒業はできないし·····、友達には病気のことは話さないって決めてる。
それに少しでも長くお兄ちゃんのそばにいたい。」



この言葉にどれも嘘なんてない。
2人とも優しいから私が病気なんて知ったら
きっと辛い顔をする。友達の悲しい顔は見たくない。
だから2人とはこのまま縁を切る。
通知がいっぱい来てたからきっと心配させてるけど私が病気って知るよりも裏切られた方が気持ちは楽だと思う。

それに2人は本当にいい人だからこれから先、沢山の人と縁を作れる。
だから私は2人の心にいなくていい。
そして少しの時間でも目の前にいるお兄ちゃんと一緒に過ごしたい。
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