余命8ヶ月。
今までに見た事ないほど慌ててる様子のお兄ちゃん。そういうつもりじゃないんだけど。
「会いたいっていう話と手伝いたいっていう話は関係ないよ。」
「そ···っ··か···。」
この流れで小戸森さんのことを話してもお兄ちゃん困惑しちゃうよね。
テレビで奏の番組姿を見る時に動画撮ってって言われたしそれまでは黙っとくしかできない。
「2人が旅行に行ったあの日、父さんから桜音羽のことを任せられた。
だから少し父親の気分っていうか・・・・・・・いや、違う。
その気持ちがない訳では無いけど俺は桜音羽に幸せになって欲しい。
要するに俺が認めた人じゃないと絶対嫌だ。というか·····桜音羽が俺の傍からいなくなるなんてまだ覚悟できてない!」
頭を抱えてるお兄ちゃん、なんだか面白いな。
でも好きな人が出来たとしてもその人の隣にもお兄ちゃんの隣にも私はいることは出来ないんだよ。
もう1年も一緒に過ごせないんだから。
「小戸森さんのことは恋愛対象じゃないよ?
それにそうだったとしても尊敬してる人だったら否定する理由なくない?(笑)」
難しい顔のお兄ちゃん。
「·····仕事としてはめちゃくちゃ尊敬してる。
だけど、うーん、」