余命8ヶ月。
この前とは違ってお兄ちゃんは先生の目をしっかり見ていた。
私の病気を受け入れることが出来たのかな。
「やりたいことを尊重してあげたいです·····!」
自分のズボンを握りしめてる。
きっとお兄ちゃんにも色んな感情があるんだろうなぁ。
私は年下の兄弟がいないからお兄ちゃんの感情の全てはわからない。
·····知らないうちに沢山我慢させたり、苦労させたりしてるんだろうな。
今日だって·····せっかくのお休みなのに病院に来てくれた。
私は残りの少ない時間でお兄ちゃんに何ができるんだろう。
お手伝いもきっとお兄ちゃんに迷惑をかけるだけなのに。
「これから体力が落ちると呼吸が不安定になる方もいるので桜音羽さんにお薬を出します。
もし、上手く呼吸ができないことがあれば飲んでみてください。
それから経過観察として3週間後にまた来てくださいね。」
過呼吸とかになれば飲めるようにポーチに入れて持ち歩かなきゃな。
「少しでも気になることがあれば電話をしてください。
お仕事の方は休憩をこまめにとって、出勤日数は少なめがいいと思います。
例えば1週間のうち3日とか、4日。
残りの日はのんびりしたり、遊んだり基本的には自分の好きなことをして過ごしてください。
ただし、無理はしないでくださいね。」