余命8ヶ月。


「どうぞ。」



席へ案内してくれた。
案内されたのはこの前と同じ部屋。



「急に来たのにいいんですか?こっちの部屋で·····」


「はははっ。気にしないでいいよ、あおはいつも急だから。(笑)
それにお兄さんは一般へ通すと困るでしょ?」



お兄ちゃんのことも気を使ってくれたんだ。



「ありがとうございます。」



私とお兄ちゃんはお礼を言った。
畳の上には重さのあるようなだけどどこか落ち着く雰囲気の淡い黄色の座布団。
この色好きだなぁ。



「何にするかは決まってる?」


「いえ、まだ·····」



優しい口調で聞かれたけどそういえばこの前はメニュー見なかったな。
小戸森さんが頼んでくれたから。



「本日のおすすめは炊き込みご飯のセットです。」


「お兄ちゃんどうする?」


「じゃあそれでお願いします。」


「私も。」


「かしこまりました。」



静かに襖が閉まる。
炊き込みご飯か。
この前はデザートだったからご飯も楽しみ。
あの時は食欲がなかった。なのに小戸森さんと過ごして夜は焼肉を食べた。
ひとりじゃ外食がもったいないと思っていたのに6人でご飯を食べたんだなぁ。
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