余命8ヶ月。
「アイドルに限らずこの業界ではスキャンダルは命取りで異性絡みなんてもってのほか。しかも後輩の妹でまだ10代なんて世間が許すわけが無い。」
やっぱりそうだよね·····。
私が小戸森さんに近づくなんてやめた方がいいんだ。小戸森さんが悪く言われてしまう。
「碧音さんの人気が落ちてきっと多くの人からネットで叩かれる。
それは桜音羽ちゃんも。」
川島さんからの言葉に私は納得してしまった。
ずっと応援してきた人が知らない人に取られるなんて嫌だろうなぁ。
「けど会わせないっていうのも李桜の中では違うと思ったらしい。
だから大切な妹が傷つかないように、我慢しなくていいように僕に頼んできたんだ。」
木下さんに?
「僕は性別が分かりづらい服をよく着るんだよね。中性的な感じ。可愛いものとか好きだし、」
この服も木下さんのものって言っていたしたしかに男性でも女性でも着れそうな服。
「それにつけ加えて僕のメイク術があれば君を完璧な男に仕上げられるってね。」
男?つまり····「男装ってことですか?」
「そー。李桜の頼みなら断れないし、急遽今日来ることになったけど僕はオフだったから荷物を持ってこれたって訳。」