余命8ヶ月。
だめだな。
いつも病気のことを考えちゃう。



「ごめんなさい·····」


━━ムギュ━━



頬を両手で強く挟まれた。



「知らないの?メイクすると女も男も変わるって。見た目だけじゃない。
最高の自分を鏡で見ることで自信もって外を歩ける。
内面から力が湧く。
だから僕はいつもメイクして、胸を張ってステージに立つ。
そんな自分を好きでいれる。
自分に自信をもてる。
桜音羽もそんなふうに生きな。」



自信を持って生きる━━━━━━·····。



「私、自信持てますかね。」



楓さんの生き方って凄くかっこいいな。



「素も十分だけどそこにブランドをつけてみなよ。
僕はステージに立つ時、注目されてるカラフルBOYSのメンバーで自分が世界一可愛いって思ってる。
僕に似合うブランドなんてそれ以外なくない?(笑)」



ふにゃっと笑う楓さんも可愛い·····。



「楓さんみたいなの私は持ってないなぁ·····。」



楓さんが自分は可愛いって言ったらきっと誰もが認める。
だけど私はごく平凡なのに·····。



「万人受けする人なんていないに決まってるじゃん。
僕はただ自分がやりたいことをやって、そんな僕を好きでいてくれる人達がファンになってくれただけ。
李桜のことだって皆がみんな好きなわけないし。これ見てみなよ。 」



楓さんは私にスマホを差し出した。



「SNSはすごいよね。
色んな人の意見が1度に見れるんだから。」
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