余命8ヶ月。
「行きたい所あるー?」
楓ちゃんはそう言ってくれた。
親友と行きたい場所····無計画で誘うなんてやっぱり失礼だったな。
とにかく一緒に出かけたかった。
「ひと駅向こうまで行っちゃう?
丘とかあって自然が多いけど可愛いお店とかもあるしさ。僕はお気に入りの街。」
自然か、私は好きだなぁ。
それに····「楓ちゃんの好きなことを知りたい。」
沢山の思い出を作りたい。
「じゃあ行こー(笑)」
私たちはカバンを持って玄関を開けた。
「わっ·····!」
「うぇ·····!?」
扉の反対側から誰かの声がした。
私と楓ちゃんは扉から顔だけ出して覗いてみた。
そこには山崎さんと川島さんがいた。
今日お休みと言っていた2人だ。
「何してんの?」
楓ちゃんが2人にそう言った。
「仲良くなりたいからに決まってるじゃん!」
2人は堂々としてる。
「桜音羽っちーあそぼー♪」
━バッ━
「へっ·····!?」
川島さんは両手を広げて私へ向かってきた。
━━━グイ━━━
「危な·····。」
気がつくと楓ちゃんが私を引き寄せていた。
「そんなことしてると李桜から殺されるよ。」