余命8ヶ月。

「小戸森先輩、待ってください。」



さっさと立ち去ろうとすると引き止められた。
しかも珍しい相手に。
木下って普段話しかけてこないよな。




「·····何?」



別に嫌いなわけじゃないし、話を聞く体制になった。



「気づきません?」



ニヤリとしてる。
やばい····何がしたいのかわかんねぇ。つーか隣にいるの誰だよ。
普通話すんだったら自己紹介してくるか少し離れた場所でまっとくだろ。


・・・・・・・


まてまてまてまて、ん?俺の知ってる顔なんだけど。
でも桜樹って男兄弟いたっけ。
わかんねー。
そもそも後輩の家族事情なんて知らなくて当たり前だよな。
桜樹が妹のことをよく話すから有名なだけだし他の家族なんて知らないでいいはず。
木下が何言いたいのかわかんないし挨拶だけしとくか?



「桜樹····の弟、さん?」



カラフルBOYSの3人が笑いをこらえてる雰囲気は伝わってきた。
何なんだよまじで。
こいつら俺の事先輩って知ってる?····いや、一応怖い先輩演じてるけどこの3人は気にしないタイプか。
礼儀はしっかりしてるはずなんだけど···桜樹と黒木と中沢の方が俺らを怖がってる感じ。

桜樹は妹が目の前にいるとあんなに強くなるって知らなかったけど。



「お前ら、マジでなんなの?」



何となくムカついて少し低めの声で言った。
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