余命8ヶ月。
木下も空気を読んでは無いってわけね。
「じゃあ4人で行きましょ!」
「いつがいいかなぁ♪」
2人めっちゃ乗り気じゃん。
一緒に行くなんて言ってないんだけど。
「みんなでお出かけ···」
俺の誘った相手は目が輝いてる。
まぁいいか。
こんなに嬉しそうなら。
「俺から連絡してもいい?」
かっこ悪いのを承知で聞いた。
「もちろんです·····!」
今日の夜にでも連絡して2人で出かける日も作ろう。
「今日はお休みなんですか?」
「有難いことに忙しくてさ。
あと1時間後には現場に行かないと。」
何気ない会話ができるだけで十分幸せなのにもっと一緒に過ごしたいと思ってしまう。
俺って欲張りすぎるよな。
最後に顔を見たらさっさと行こ。
「じゃあね。」
「頑張ってください。」
なんて顔してんのこの子。
いや、顔は笑ってるけど寂しそう?
俺と同じ感情だったり?なんて、自意識過剰すぎだろ。
「寂しかったり····?なんてね(笑)」
思わず聞いたけどそんなことあるはずない。
「ちょっと、だけ。」
目を逸らしてそんなこと言うなんてやばすぎでしょ。耳まで真っ赤じゃん。
「夜、電話するから待ってて。」
俺も寂しいと言わなかったのは年上のプライド。
彼女は柔らかく笑って言った。
「待ってます。」
反則すぎだって。