余命8ヶ月。
この一点張りだ。
一緒に買いに行けばよかったな。
「はい、飲み物とーポップコーン!」
「あ、え?⋯」
食べ物まで奢ってもらってしまった。
お詫びのお出かけなんだしむしろ私が払うべきなんじゃ⋯「さ、入ろ入ろ。」
話を聞いてくれそうにないなぁ。
つられて私はそのまま映画館に入りそして後方の端にある席へ座った。
「これ実は川島が出るんだよね。」
「朝陽さんが?」
「あいつ俳優として結構人気だから。
撮影忙しくて大変だと思う。
なのに遊園地に行くなんて言ってるからよっぽど元気な人なんだろうね。」
朝陽さんの演技は見た事がない。
どんな感じなんだろう。
「今度あったら感想言ってやりなよ。
めっっっっちゃ喜ぶと思う。」
碧音さんがそこまでしてこの映画を見たい理由はわかんないけど明日から仕事で朝陽さんに会うし、せっかくなら感想言おうかな。
照明が消えていよいよ映画が始まるみたい。
お兄ちゃんの時は嫉妬というか恋愛に発展しないかいつも心配しながら見てたけどなんだろう。
知り合いの恋愛って見てると恥ずかしい⋯。
しかも朝陽さん演技上手だ。
手を繋いだり恋愛映画だとお決まりだよね。
キスシーンも·····(恥)
顔が熱くなりながらも何とか映画を見終わった。