余命8ヶ月。
第3章

1


今日は初めての仕事。



「今日からよろしくお願いします!」



まずはカラフルBOYSに挨拶。


「よろしくねー。」


「女の子姿もやっぱり可愛い⋯!」



今日は仕事だから通常通り女子の服だ。
浬さんは素直に言葉に出すみたいだけどなれないなぁ。反応に困っちゃう。


「いいから、仕事。」


「はいはーい。」


黒木さんはすぐにそう言って移動の準備を促した。


「困らせるかもしれないけどみんな良い奴だから気にしないで(笑)」


リーダーの黒木さんは気遣い上手だなぁ。
移動中、浬さんが話しかけてきた。


「楽しみだねテーマパーク!」

「そうですね。」

「なんの話し?」



お兄ちゃんが聞いてきた。
話すのを忘れていた。



「碧音さんと行くんだ。」


「そっか····。」



深く聞くのはやめてくれたみたいだ。
お兄ちゃんなりに受け入れてくれたってことかな。



「桜音羽っち、後でちょっといい? 」


小さい声で言ってきたのは朝陽さんだった。
私は頷き移動車から降りて楽屋に着くと人通りの少ない場所に行った。



「ごめんね〜、呼び出しちゃって。」
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