余命8ヶ月。

「そう、ですか。
すみませんこんなことで連絡しちゃって。」


本当に申し訳ない。



『いつでも連絡をしていいと言ったのは私だし、些細なことでも全く問題ないですよ。
もし行くんだったら思う存分楽しんで!
また、診察の時お話を聞かせてくださいね。』


「はい·····!」


天野先生は電話を切った。
優しい先生だなぁ。


「良かった。
こまめな休憩ね!」



弾ける笑顔で朝陽さんは言った。



「迷惑かけちゃってすみません。」



お兄ちゃんとは違うんだから気をつけないといけないのに。


「なんで?僕は李桜から聞いた時、桜音羽ちゃんがいなくなるのは嫌だって思った。
これは同情とかじゃなくてただ桜音羽ちゃんともっと色んなことを共有したいと思ったから。」

「絶対に迷惑なんかじゃないよ。」



真っ直ぐな言葉で言ってくれた。
私がいなくなるのを嫌と思ってくれる人がいるんだ。


「ありがとうございます。」


そして思い出した。昨日映画を見た事を。



「朝陽さんの映画見ましたよ!
ヒロインとの掛け合いも面白かったですしそれに告白のシーンとか···!」
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