余命8ヶ月。
私はなるべく平静を装って電話に出た。
「メッセージ、返事無かったから倒れたのかと·····、はぁ〜良かったぁ。」
心から安堵してる声だ。
「心配しすぎだよ(笑)
あ、明日楽しみにしてるね。」
「俺も。」
そう言って電話を切った。
もう熱も下がったし外出自体は問題ないって言われたから明日はお兄ちゃんとデートできる。
今日は夜遅くまで仕事もあるみたいだし、会えるのは明日の朝かぁ。
さっきお兄ちゃんすごく安心してたな。
·····そうだ。
私がいなくなったらお兄ちゃんひとりぼっちなんだ。
お父さんとお母さんがいなくなった時は私にはお兄ちゃんがいてお兄ちゃんには私がいた。
だけど私がいなくなったら?お兄ちゃんは·····その瞬間、涙が溢れ出した。
この場にいないお兄ちゃんに謝った。
「ごめんなさい·····ごめんなさい·····、お兄ちゃんを1人にしちゃう·····」
こんな妹でごめんね。
何も出来ない妹でごめんなさい。
私は布団に潜って泣いた。
気がつくと眠りに落ちていた。