余命8ヶ月。
収録が終わり皆さんが楽屋へ戻ってきた。
口々に不満を漏らしていたけど最後は笑顔で『でも楽しかったね。』『またこんなのに呼ばれたい。』そう言っていた。

こんなに輝いているのに惨めなわけが無い。時間が経ってから沙也加さんへ静かに怒りの感情が湧いた。


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碧音目線


スマホに非通知で電話がなった。だけど番号はよく知ってるやつだった。一度は無視したけどあいつが連絡をしてくるなんて久々だから何かあったのかとかけ直すことにした。


『碧音だ〜。元気?』

「要件はなんだよ。」

『冷たいなぁ。今日、桜樹って子に会ったんだ。碧音の後輩達が出てたから惨めって言ったらすっごく嫌そうな顔してさぁ、諦めた方がいいよ?歳の近いイケメンたちに色目使ってそうだし(笑)』

「ふざけんな。なんも知らねぇだろ。」


相変わらずこいつは性格が悪い。声を聞いただけで嫌悪感が増す。やっぱり電話に出るんじゃなかった。


「ねぇ、私の所へ戻ってくる気にはなった?」



━━━━プツッ━━━━


あいつの女っぽい声に拒否反応を起こして指はすぐさま通話終了ボタンを押した。

なんのつもりだ?もう関わらなくていいと思ってたのにスタッフとして働いてるらしいし。あの子には絶対に関わらないでほしい。俺の黒い部分を知られたくない····。
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