余命8ヶ月。

「聞いたのは····3週間くらい前かな·····」


なるべくいつも通りに聞きながらお兄ちゃんの癖が頭をよぎった。あの日、嘘をつく時の癖。あれは何だったんだろう。


「協力できることがあるなら何でもしたい!いつでも言ってね!?!??」

「うん、ありがとう!」



雪ちゃんはいつまでも私のお姉さんだなぁ。そして一息つくとお兄ちゃんの愚痴が始まった。


「ほんっと信じらんない!大事なことはいっつも言わないんだから!私のことなんだと思ってるんだろ····」


後半、雪ちゃんの表情が曇っていった。連絡をとれてないって言ってたけどお兄ちゃんは自分から私に伝えていいか聞いてきた。連絡を取る気はあったってことだよね?



「お兄ちゃんと何かあったの····?あ、無理には聞かないんだけどね···え··と、」


妹の直感というか不思議な違和感を私は感じ取ってしまった。
雪ちゃんは困り顔で重そうな口を開いてくれた。


「2ヶ月前に気持ちが爆発しちゃって····つい言っちゃったんだよね·····。好きだって。」


「へ·····!?」


驚いて思わず声が出てしまった。雪ちゃんは恥ずかしそうで下を向いている。
< 222 / 306 >

この作品をシェア

pagetop