余命8ヶ月。


私に謝ってくれたけどそんなこと気にしなくていいって伝えた。むしろお兄ちゃんのことを謝りたい。


「仕方ないよ。仕事は大切だし何より優しいからきっと断れなかったんだと思う。」


雪ちゃんはそれから笑っていた。今日もお兄ちゃんは仕事で夜まで帰ってこないし会いたくないだろうからって夕方には帰ってしまった。

私はずっとタイミングを逃して出来ていなかった連絡交換をダメ元で聞いてみると喜んで交換してくれた。今度一緒に出かける約束も。


2人を恋人として見たことは無かったけど雪ちゃんは背も高くてメイクも上手でお兄ちゃんと並ぶとお似合いだ。お兄ちゃんが誤魔化したのってなんでなんだろう。不思議に感じたけど当事者たちにしか分からないことがきっとあるんだろうな。


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今日はバイトの日。お兄ちゃんは地方ロケで明日帰ってくるらしい。朝陽さんは1月から始まる連続ドラマの撮影。私の体調を考えてくれて朝陽さんのお仕事につかせてもらうことになった。


碧音さんが今日は同じ建物内にいるらしい。朝陽さんが教えてくれた。もしかしたら会えるかもしれないと期待してしまう。


「桜音羽っち荷物重いでしょ。持つよー。」

「それ言っちゃったら私のお仕事無くなります·····。」


少し過保護にも感じる朝陽さんだけどなんだかんだ成立している。最近は2人での会話も増えて笑うことも多い。
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