余命8ヶ月。
巨大水槽の魚達を私は30分も見ていた。
こんなにも沢山の魚がいる中で病気の子もいるんだろうかと考えていた。
水族館には沢山の人が来ていて私は考えた。
この中に病気の人はどのくらいいるんだろう?
もしかしたら私だけかもしれない。
私がこんなにも長時間見ることなんてないからお兄ちゃんは驚いていたけど付き合ってくれた。イルカのショーも。
「次はご飯いこ。」
2人で水族館のレストランに行きそれぞれ好きなものを頼んだ。
「そろそろ帰ろうか。」
お兄ちゃんと水族館を出た時、私は目眩がしてふらついた。
「大丈夫?」
お兄ちゃんは私を支えてくれた。
元々貧血気味で目眩は起こしやすい。
そのことを先生に伝えると最近の目眩は病気からの可能性が高いの言われた。
「いつもの貧血だよ。」
私はそう言って笑った。
だけどお兄ちゃんはいつも心配してくれる。
「腕、貸したげる。」