余命8ヶ月。
そう言って腕を差し出してきた。
私はお兄ちゃんが優しく笑ってくれて嬉しかった。



「やった!
お兄ちゃん大好き!」



私はお兄ちゃんの腕を抱きしめた。
お兄ちゃんの腕は細い。
だけど私にとっては先生の言葉や薬、世界の何よりも安心できた。


夜、2人で今放送中のお兄ちゃんのドラマを見ているとよくある恋愛ドラマの来週の予告シーン。
ヒロインとの顔がとても近い。



「·····お兄ちゃん、キスするの?」



恋愛ドラマだったらお決まりのようにあるんだろうな。



「それはドラマを見てからのお楽しみ。
何、嫉妬?」



お兄ちゃんはニヤリと笑った。



「うぅーん、この人の事、好きなの?」



私が質問するとお兄ちゃんはキョトンとしていた。



「なんで驚いてるの?」
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