余命8ヶ月。
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桜音羽目線


碧音さんにくっついて寝てるなんてありえないことをしてしまった。私はアイドルの妹なのに常識が無さすぎるんだろうな。


「ごめん。あと10分くらいでたけが来るから、送って貰ってね。」

「私一人でも帰れますよ?」

「だめ、しっかり送って貰って。」


そんな会話をしているとマネージャーさんが迎えに来たみたい。


「みんなでお仕事に行ってみんなで帰ってくるなんて本当に仲良しなんですね。」


その光景が浮かんでそんな一言を言った。


「ん?あー、まぁ仲はいいけどデビューしたての時は事務所のお偉いさん達がグループに家を準備してくれるからね。
本来は2年くらいが目安なんだけど俺らはそのまま継続しちゃってる感じ(笑)」


「え・・・・・?」


「迎え来たぞー!」

「桜音羽ちゃんまたね!」

「もう来たのか、また連絡する。」


碧音さんはまた私の頭を撫でてお仕事へ向かった。だけど私の頭はそれどころじゃなかった。カラフルBOYSは奏と同じ事務所。ならどうしてお兄ちゃん達はシェアハウスじゃないんだろう。·····もしかして私のせい?



━━━ピンポーン━━━


ふと我に返って玄関を開けるとプライベートのはずなのに着物姿のたけさんがいた。


「おまたせ。私の車で送っていいかな?」

「は、はい!お願いします。」

「気を使わないで平気だよ。」


たけさんは助手席を開けてくれて私が座ると扉を閉めてくれた。こういうの簡単に出来ちゃうのって紳士だなぁ。


「あおのことに巻き込んでごめんね。」

「全然気にしていませんし、たけさんが謝ることじゃないですよ。」
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