余命8ヶ月。
━━━むぎゅうぅぅぅ━━━━
頬に弱い痛みが走ると共に楓ちゃんの顔が目の前にあることに気づいた。
酷いことをした·····。許してもらえるわけが無い。
「ごめんなさい·····。」
「何が?これが桜音羽の言う酷いことなの?桜音羽が後悔してないなら別に謝る必要ない。····ただこのまま会えなくなってたら一生許さないところだった。」
嘘をついていたことより私の体を心配してくれてたんだ。
他の皆さんも無事でよかったってそれだけを喜んでくれた。
「これからもお見舞い来るからね。」
「退院したら遊ぼ!」
「外が無理なら家に行くし!」
カラフルBOYSの皆さんには感謝しかないなぁ。色んな会話が飛び交い始めた頃、扉をノックする音が聞こえてきた。
「俺の言葉も聞かずに飛び出して行ったヤツら····何しちゃってんの?」
口角は上がっているのに低い声で明らかに怒っているお兄ちゃん。またこの人達は怒られ始めた。
どうやら急にバイトを辞めたことに誰も納得していなかったらしくお兄ちゃんと朝陽さんの会話を盗み聞きした後、朝陽さんを捕まえ病院まで来たらしい。
「お前もなんで教えちゃうわけ!?」
「はははー」
適当に流している朝陽さん。そういえばどうして教えたんだろう。朝陽さんならいくらでも誤魔化せそうなのに。
それでも今は気持ちが楽になっているから朝陽さんを責める気はない。
「ふふふっ·····」
お兄ちゃんは真面目に怒っているのに皆さんは笑っていて久しぶりの光景に私も笑ってしまった。
私が笑っているとお兄ちゃんは怒ることをやめて呆れつつも笑っていた。