余命8ヶ月。
全部話し終わった頃にはもう日付が変わっていた。
父親のこと、そしてグループを続けたいということをはっきりと伝えた。
メンバーは練習生の頃のように笑っていた。
「なんだよ。 」
「そんなことかー。」
「つーか、俺ら誰も辞めたいなんて言ってないかんな!」
「お前が辞めたい雰囲気出しまくってるからってだけで辞める気ねーし。」
俺は人にかなり分厚い壁を作るようになってしまってたんだな。心を許せてたはずのヤツらにまで。
こいつらは一度も俺に壁なんて作ってなかったんだ。
「俺はいっそ何十年もやりたいんだけどお前らはどう思う......?」
桜音羽の言葉を忘れられなくてつい聞いてしまった。なのに不思議と不安はなかった。
「何十年·····か、」
「面白そう!」
「いやいや、現実考えろー。体力が無理(笑)」
「やり続けたければやってんじゃない?そんときの気分気分。」
やっぱり適当なヤツら。けどこんな奴らだから俺を受け入れてくれた。
6年前も、今も、これからもだろうな。
「それよりお前本当にもう諦めたの?」
右京はまだ桜音羽のことを聞いてくる。
俺だって諦めれるわけが無い。あの幸せな時間を嘘だったなんて思いたくはない。
「嫌われたんだから仕方ないでしょ。」
「いやぁ〜川島が言ってんでしょ?信用できるかって言ったら半々じゃない?(笑)」