余命8ヶ月。
ナースステーションを通り過ぎると扉があって面会に来る人はここからやってくる。
近くには椅子があって入院が長引いている私は体力が落ちているから座ることにした。
「あ⋯」
ふと自分の容姿が気になった。ベッドで横になってたからきっと髪はボサボサで顔色だって良くは無いだろうな。メイクくらいしとけばよかったと思ったけど今すぐ部屋に戻る体力はなかった。
何も持っていない私が出来るのは髪を手で整えるくらいだった。少し伸びてきた前髪が視界に入り右京さんに切ってもらった日を思い出した。
せっかく右京さんが切ってくれたのに皆さん色々言ってたな。私の髪なんだし、別にいいと思うんだけど。そのあと碧音さんが似合ってるって言ってくれて嬉しかった。
朝はバタバタとお仕事に行ってしまったけど起きて隣に好きな人がいることに幸せを感じた。
それから・・・・・・・ねぇ、碧音さん。私は自分が思っていたよりもずっとずっと、あなたのことが好きみたいです。━━━━━━━━━━━━
「やっと会えた。」
目を閉じて碧音さんの笑顔を思い浮かべていると声がした。優しくて暖かい、大好きな声。
「好きです。どうしようもないくらいに碧音さんのことが好きなんです。」
この気持ちを止めることは出来ない、もう自分に嘘をつかない━━━━━━━━━━━━。