余命8ヶ月。
こんな感覚は初めてで恥ずかしくて隠れてしまいたいのに私だって同じくらい好きなんだよって言ってしまいたくなる。
独占欲が強いのかな。
「まずはドレスね。今日が暖かくてよかったけど長袖タイプで正解だったね。碧音さんが桜音羽ちゃんの体調を考えながら選んだんだよ。」
きっと私の体調を考えながらもどんなドレスが好きか想像しながら沢山迷って選んでくれた姿がわかってしまう。
袖は膨らんでいて細かい刺繍まではいってる。スカートの部分はかなり膨らんでいるタイプみたい。まるで本物のお姫様だ。
「これはね、プリンセスラインって種類で王道なんだ。けどデザインだったり軽さだったり厳密に注文してくるから手当り次第周りに聞いてたら私が結婚するのかと思われちゃった笑」
「雪ちゃんが探してくれたの?」
そこにまた驚いた。
「あんなイケメンに言われちゃ断れないよ笑·····それに私も見たかったから。桜音羽ちゃんが世界で1番輝く日。」
雪ちゃんから大切に思われて、嬉しさが込み上げる。
「メイクもせっかくなら私がやろうと思ったんだけどどうしても譲ってくれなくてねー。私より上手いから拒否もできなかった。」
悔しそうなのに笑ってる雪ちゃんが扉を開けると楓ちゃんが立っていた。
「メイクなら僕が世界一可愛くできるに決まってるからね。」
出会った頃から変わらない楓ちゃんはプロのように私にメイクをした。まるで別人とも思えるくらい綺麗に丁寧に。
「楓ちゃん、ありがとう。」
「メイクは僕だけど桜音羽を輝かせれるのは先輩だけだからね。」
メイクが終わると楓ちゃんは部屋から出てしまった。
「碧音さんは桜音羽ちゃんが来るまで見ないで待ってるってもうスタンバイ中だよ。それでね·····」
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