余命8ヶ月。
そして奏は大切な人ができたりしてみんな家を出ていった。まぁ今でもかなり頻繁に会ってるし昔よりも仲もいいかもしれない。
誰もいない家の扉を開けるため鍵を開けようとすると既に開いていた。誰も鍵なんて持ってないはずだし不審者か?
扉を静かに開けて中を覗いても物音もしないし暗いから何も見えない。通報するべきか迷っていると突然部屋の電気がついた。
「いつまで玄関に居るんです?」
なぜこいつがここにいるのか、鍵を空けれたのか疑問がありすぎて俺は言葉を失った。
「まだ合鍵を持っている方たちがいたんでひとつ借りたんです。失礼すぎることは謝りますけどどうしても伝えたいことがあったんで·····」
「合鍵持ってるやつ?」
「奏は今も鍵を持ってるらしいですよ。俺が会いに行きたいって言ったら快く貸してくれました。周作さんが。」
「何それ、アイツら勝手に入れちゃうじゃん。」
李桜から聞いた言葉に少し笑ってしまった。使うことは無いだろうけど大切に持ってくれてるんだろう。