余命8ヶ月。
「確かに、大切な家族に隠し事なんてよくないね?」



黒木さんも山崎さん達に加担した。



「見ちゃえ見ちゃえ!」



川島さんがお兄ちゃんのページを開き見せてきた。



「まだ見るとは·····!」



そう言いながらも私の目線はインタビューの部分に移った。



「これっ·····て」



メンバーの皆さんはニヤニヤと笑っている。



「お兄ちゃんが本当に言ったんですか?」


「俺達はカメラの前でもありのまま。
それはもちろん雑誌だって。」



黒木さんは微笑んでいる。



〘好きなタイプはどんな人?〙



そんなアイドル誌ではよくある質問。
お兄ちゃんの回答にはこう書いてある。


《好きなタイプ·····。
正直に言うと人生で好きな子できたことなくて、この子いいなーとか思ったこともないんですよ(笑)
答えられなくてごめんなさい(笑)
これじゃ雑誌に載せられないですよね。
好きな子ではないんですけど俺にとって何より大切な子はいます。》
< 36 / 306 >

この作品をシェア

pagetop