余命8ヶ月。

3

テレビ局って広いんだなぁ。
楽屋からトイレまで距離が結構あって戻り方が分からなくなった。
まぁ歩いてれば楽屋に戻れるよね。
確かこっち。


前から紙コップの飲み物を持って歩いている人が来た。
位置的にぶつからないしそのまま通り過ぎようとした。紫の髪色·····。
テレビ業界はやはり派手な人が多いんだろうか。



「わっ·····」



その人は盛大に前へと倒れた。
そして紙コップは宙に浮き中身が私のズボンに降ってきた。



「冷たっ!」



私の声に反応してその人はすぐさま起き上がった。



「大丈夫ですか!?」


「あ、はい。」



ホットドリンクじゃなくて良かった。
このくらいならすぐに乾くだろうし気にするほどのことでは無い。
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