余命8ヶ月。
5分も待てばコーヒーも染み込みますよね。
でも本当に悪気は無いみたいだしそんなに気にしなくても·····。
「大丈夫ですよ。」
「そうですよね·····怒りますよね。
なんて謝罪したらいいか·····。」
あ、無表情だから怒ってると思ってるんだ。
「えっと、すみません。
怒ってないです。
笑顔が苦手で·····」
そういうと少し安堵したのか私の横に腰をかけた。
それにしてもかっこいい衣装を着てるなぁ。クールだけど清潔感がある感じ。
「綺麗な衣装ですね。」
喋らないのも失礼かと思って話しかけてみた。
「あぁ。
今日の歌番組の衣装です。」
歌番組·····、ん?そういえばこの人の顔どこかで見たような·····。
私は顔を覗き込んで見つめた。
「何か·····変ですか?」
突然見つめたから驚かせてしまった。
「あ、いや、その·····どこかで·····」
気づいたようにその人は言った。
「そうだ。
自己紹介まだでしたね。」