余命8ヶ月。
···初対面の人にこんな話されても迷惑だ。
「すいません。
話しすぎましたね。
じゃあそろそろ·····」
私が立ち上がると手首を優しく掴まれた。
「えっと·····?」
何も言わないから私は困ってしまった。
「やっぱりズボン、申し訳ないんでちょっと楽屋に来てください。」
断る間もなく私は腕を引かれて連れていかれた。
腕は細いのに手は大きいんだなぁ。
楽屋って····グループの楽屋だよね?
「ただいまー。」
小戸森さんは普通に扉を開けた。
そこにはテレビで見てる皆さんがいた。
名前とテレビでの性格くらいは知っている。年齢は知らないけど·····。
「おかえりー」
ソファに座りスマホを見ながらそう言った人はグループのまとめ役、右京 虎太郎 (うきょう こたろう)さん。