余命8ヶ月。
そこには両親の写真。

私とお兄ちゃんの両親は3年とちょっと前、結婚記念日の日に2人で旅行に行って交通事故に遭い、そのまま帰らぬ人となってしまった。
優しい両親だったから立ち直るのにそれなりの時間はかかった。



『お土産買ってくるから楽しみにしててね。』


そう言って私の頬を撫でてくれた母を、


『母さんとまた新しい想い出を作ってくるよ。』



幸せそうに母の手を握り玄関の扉を開けた父を、私は時々夢で見る。
両親が亡くなった時、私は15歳で高校生になったばかりだった。

お兄ちゃんはその頃高校に通いながらレッスン生として日々アイドルになるため毎日のように先輩たちの 付き人になり放課後はテレビ局などに通って付き人の仕事が終わると今のカラフルBOYSのメンバーとダンスレッスンをして夜遅くに帰ってきていた。
< 6 / 306 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop