余命8ヶ月。

「いいよ。
桜音羽が無事でよかった。」



心配してくれたんだ。



「今日、手伝いに来たの迷惑じゃない····?」



キョトンとした顔のお兄ちゃん。
その後ふはっと笑った。



「迷惑なわけないじゃん!
桜音羽の手伝ってくれる気持ちは嬉しいし、それに言ったでしょ?俺のエネルギーだからいてくれるだけでいつも以上に頑張れるんだよ。」



やっぱりお兄ちゃんは優しいなぁ。



「·····ところでなんかあった?スカートに変わってる。」


「小戸森さんのコーヒーがかかっちゃって貸してもらったの。」


「嘘!?怖くなかった?」


本当に厳しいというか“先輩”をしているんだ。これくらいは言ってもいいよね。



「全然大丈夫だった!」


「そろそろスタンバイするぞー。」



黒木さんがメンバーに声をかけた。
でも私はもうひとつお兄ちゃんに伝えとかないといけないことがある。



「お兄ちゃん、今日家に帰ったら大事な話があるの。聞いてくれる?」


「桜音羽の話ならいくらでも聞くよ。」



いつも通りの雰囲気になんだか安心した。



「よし行くか。
桜音羽、お兄ちゃんの仕事見てて。」


「うん·····!」



お兄ちゃんの仕事姿、目に焼き付けよう。














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