余命8ヶ月。


「私に会いに?嬉しいなぁ。
さては隣の男性を紹介してくれるの!?
李桜くんにベッタリだった桜音羽ちゃんにもついに彼氏かぁ!」


「へ·····?」



お兄ちゃんはとっくに仕事に行ったし、そもそもお兄ちゃんなら雪ちゃんも知ってるし、私に仲のいい男性なんていないし···雪ちゃんは何を言っているんだろう?私は雪ちゃんの目線の先、私の隣に視線を向けた。



「こんにちは·····?」



少し不思議そうな顔で挨拶をしてきたのは 長身で帽子を少し深くかぶった黒縁メガネの男性だ。



「素敵な男性〜!でもちょっと細くて頼りなさそうねぇ。」



雪ちゃん····、なんでもはっきり言う性格私は好き。
でもね、この人は今大人気の奏のメンバーの小戸森 碧音さんなんだ。
伝えたいのに肝心の声が出てこない·····。
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