余命8ヶ月。

小戸森さんの顔をちらっと見ると人差し指を立てて口にあてている。言っちゃダメってことかな?



「なぜ·····ここに??」



私から出てきた言葉はそんなことだった。



「君がこのお店に入っていくのが見えたから。」



それは····お店に入る理由になるのだろうか?小戸森さんの考えていることは読めないなぁ。



「こんにちは、友人です。」



わ·····、1回しか会ってないけどこんな笑い方するんだ。
アイドルスマイルとも違う。大人の対応だ。



「ふふふ···ごゆっくりー。 」



雪ちゃんは他のお客さんに呼ばれレジへ戻って行った。まだ怪しんでるな·····。



「せっかくだし服買おっか。」



小戸森さんがそう言った。



「小戸森さん····ここには男性の服は無いですよ? 」


「ん?」



不思議そうにこちらを見た。



「あ·····!すいません。
彼女さんとかいますよね。」


「·····ん?」



また不思議そうな顔。



「だってここ女性用か子供向けの服しか····お子さん!?」
< 73 / 306 >

この作品をシェア

pagetop