余命8ヶ月。
それを聞いては父は『おとにはまだデートなんて早い!』そう言って不安がっていた。
母はそんな父を見て少し呆れつつ私とお兄ちゃんの仲がとてもいいことに感心してたっけ。



『本当にお兄ちゃんのことが好きなんだねぇ。』


『うん!お兄ちゃんのお嫁さんになるの!』



・・・・・・・


恥ずかしいことまで思い出してしまった。

まぁ私とお兄ちゃんは正真正銘の兄弟だから結婚なんて出来ないけど。
そういえば男の人ともあまり話したことがないしデートなんてお兄ちゃん以外としたことないなぁ。

お兄ちゃん以上に好きになる人もいないだろうけど。
私は人生で彼氏が出来たことは無いけどそこに不満を持ったこともなかった。



「ボーっとしてるけど大丈夫?」



今日はよく昔のことを思い出してしまう。



「ごめん。
テレビのお兄ちゃんに夢中になっちゃった。」
< 8 / 306 >

この作品をシェア

pagetop