余命8ヶ月。

6

お兄ちゃんは私のやりたいことを応援してくれる。だけど心配性でもあるからもしかしたら困ってしまうかもしれない。
お兄ちゃんを困らせたくない。
だけど····私が今したいことはこれしかない·····。



「·····今、私が全力でやりたいと思えることはお兄ちゃんの応援です。
だけどそれはテレビの前で応援することじゃない。私だからこそできる応援をしたい。」



小戸森さんは静かに私の話を聞いてくれてる。



「この前お手伝いした時、慣れない場所で緊張もしたし、カメラの前は楽しそうなのに裏のスタッフさんたちは忙しそうでバタバタしてて私は邪魔になってないかなってすごく心配だった。
だけどメンバーの皆さんの前のお兄ちゃんを見てもっと沢山知りたいって。
私がやりたいことはこれ·····です。」



必死に喋って敬語をつけるのを忘れてしまった。



「あ、あの、馴れ馴れしく喋ってしまってすみません·····!」



10個も年下にそんな喋り方されたら絶対に嫌だろう。



「何が?あぁ、敬語か。
俺もタメ口だし、君のその喋り方いいと思うけどな。
これから俺にはそのままでいいよ。」



ほ、本当にいいのかな····。
いや、ダメだ。普通にダメだ。
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