【完結】吸血鬼の花嫁~罪人聖女と呼ばれた私は、再会した幼馴染の彼に溶けるほど溺愛されています~

第4話 ミルクティー色の髪

 フィーネは目の前のミルクティー色のふんわりと気持ちよさそうな、まるでひだまりのような温かそうな髪を見つめて昔を思い出す。



***



「まあ、やっぱり『使用人の娘』だわね。汚らしいわ~」
「おくさま、もうしわけございません……」

 ある伯爵家で使用人と変わらない服を着た4歳の少女は、たどたどしい言葉遣いで返事する。
 彼女が「おくさま」と呼んでいる人物はこの家の伯爵夫人である。
 そして、この4歳の少女はこの家の紛れもない令嬢なのだが、彼女の母親は「伯爵夫人」ではない。
 伯爵夫人は近くにいた、彼女専属のメイドをその少女に聞こえるように話す。

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